その9 目覚め

「大丈夫ですか?」

私は、声を掛けながら男性の肩を叩いた。体が少し反応する、目が覚めたようだ。

「、、、、ん、、、、」

男性は、ゆっくりと体を起こす。

まだ、若い。幼い顔立ちだが、不思議な威厳がある。恰好のせいだろうか。

「大丈夫ですか、どこか、痛みますか」

「いえ、、、ここは、、」

青年は、辺りを見渡す。

「被官稲荷神社の境内ですよ」

「神社、、、、、」

青年は、頭を少し振ると、何かを思い出そうとしているように、しばらくじっと思案していた。

「、、、、何故、、」

「どう、されたのですか」

「ええ、、、思い、出せないのです」

「昨夜のことですか?」

「いえ、、、、何も」

「何も?、、、、お名前は?」

「名は、、」